アベラワー(ABERLOUR)

スコットランド・スペイサイド地方のほぼ中心、ラワー川とスペイ川が交わる清らかな土地に建つアベラワー蒸留所。1879年の創業以来、「ダブルカスク熟成」のパイオニアとして、極めて贅沢で濃厚なシングルモルトウイスキーを造り続けています。

フランスなどヨーロッパで絶大な人気を誇り、「シングルモルトの最高峰の一つ」と称されるアベラワーの味わいの秘密を紐解きます。

アベラワー(ABERLOUR)
目次

1. ブランドの概要と歴史

アベラワーは1879年、地元の名士であり慈善活動家でもあったジェームズ・フレミングによって設立されました。アベラワーとはゲール語で「せせらぐラワー川の落とし口」を意味し、かつてドルイド僧(古代ケルトの神官)が儀式に使用していたといわれる聖なる湧き水「セント・ドロスタンWell」の水を仕込み水として使用しています。

アベラワーの最大の特徴は、熟成の全工程で高品質なオロロソシェリー樽とバーボン樽の2種類を使用し、それぞれの樽で完璧に熟成した原酒を絶妙な比率でヴァッティング(ブレンド)する技術です。これにより、他のスペイサイドモルトとは一線を画す重厚で華やかなアロマが生まれます。

2. 製造方法と技術のこだわり

① ダブルカスク・マチュアードの匠
アベラワーでは、蒸留したてのニューメイクスピリッツを、最初に「バーボン樽」と「シェリー樽(オロロソ)」にそれぞれ分けて詰め、並行して同じ期間(12年以上など)熟成させます。そして、バーボン樽由来のバニラ香と、シェリー樽由来のダークフルーツ香が共に最高潮に達した原酒をブレンドし、さらに数ヶ月間「マリッジ(結婚)」させることで完璧な調和を引き出します。

② 太く背の低い蒸留器 アベラワーの蒸留器は、ずんぐりとした太い玉ねぎ型で、ネックが比較的短く設計されています。これにより、蒸留時に重くオイリーな旨味成分が銅の壁に当たって還流しすぎることなくダイレクトに抽出され、リッチでふくよかなミディアムからフルボディの原酒が仕上がります。

③ 伝統のコルク栓による密閉 樽詰めする際、アベラワーでは樽の口を木の栓ではなく「本物の木コルク」で密閉する非常に珍しい伝統を守っています。これにより、樽の内外での非常に微細な呼吸がコントロールされ、熟成が穏やかに、よりまろやかに進むとされています。

3. フレーバープロファイル

アロマの分類具体的な味わいの特徴
リッチ&ダークフルーツシェリー樽由来のレーズン、イチジク、プラムのようなとろっとした甘酸っぱさ。
スイート(トフィー)バーボン樽由来の濃厚なバニラ、キャラメル、トフィーのコクのある甘み。
スパイシーシナモン、ジンジャー、ナツメグを思わせる温かみのある心地よいスパイス。
ビターナッツ余韻に続く、香ばしいトーストしたアーモンドやカカオのほろ苦さ。

4. 代表ラインナップ

アベラワー 12年 ダブルカスクマチュアード

アベラワーの個性を体験するのに最も適したスタンダードボトル。バーボン樽とシェリー樽のダブルカスク熟成によるハチミツと赤いリンゴのような甘み、スパイシーさの絶妙なバランスを楽しめます。

アベラワー アブーナ

「アブーナ(A’bunadh)」とはゲール語で「起源」を意味します。創業者ジェームズ・フレミングの時代のウイスキーを再現すべく、オロロソシェリー樽のみで熟成された原酒を、加水やろ過を一切行わずにカスクストレングス(度数約60%前後)でボトリングした、非常に濃厚でフルボディな超人気ボトルです。

5. おすすめ of 楽しみ方とペアリング

アベラワーの持つドライフルーツとスパイスの濃厚なコクは、氷をゆっくり溶かしながら飲むロック、あるいはストレートが最適です。非常に力強いため、ロックにしても味わいが崩れず、冷えることで甘みがさらに引き締まります。

  • ダークチョコレート(オレンジピール入り): カカオのビター感とシトラスが、アベラワーのシェリー感と素晴らしいマリアージュを見せます。
  • ローストビーフ(ベリーソース添え): 肉の旨味と甘酸っぱいソースが、ウイスキーのスパイシー&フルーティーさに寄り添います。

6. まとめ

アベラワーは、聖なる仕込み水と太い蒸留器から生まれるオイリーな原酒を、バーボン樽とシェリー樽の「ダブルカスク・マチュアード」技術によって高貴で濃厚な芸術品へと昇華させています。ドライフルーツと温かいスパイスの効いたリッチな1杯を、今夜グラスで体験してみてください。

記事をシェア!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

バーレルマスターはウイスキーを始めとした樽醸造酒の魅力を最大限に伝えるWEBメディアです。ブランド情報をはじめ最新のリリース情報や業界トレンドを交えながら、初心者にも分かりやすくをモットーに記事をお届けしていきます。

目次